妖精国創世記

以下は、妖精国に古くから伝わる伝説である。
実際には、「予期されざる悪魔」は、変態侯爵の形をとった夢一自身、そしてそれによって600年の間を行ったり来たりすることになった悪しき輪廻のことを予言している。


我々人間の世界の形なき統治者は、彼(?)の世界を今ある方法で統治することにした。しかし、彼の双子の兄弟は、その前の行動から事由がリンクしていない(「論理」が否定された)方法を選んだ。これが、家族概念のない妖精も産まれることなく発生し、そして死んだ後に跡形も残らない理由である。
定義:我々の神をロゴスとし、後の方を夢一(ユメカズ)とする。ロゴスは、ロゴスの厳密に管理された世界の中の人々が、「歯車の間の遊び」の欠如によって飢え窒息死するのを防ぐ為に夢一が助けになるだろうと考えた。ロゴスは夢一と相談した。夢一は承諾したが、しかし夢一の世界には「保証」なんてものはないということ、夢一は「正義」とか「真実」なんてものにはひとっかけらも興味ないという事を警告することは忘れなかった。夢一は、「全ての論理を無視する予期されざる悪魔」が乱数要素の中から出現し、何もかもめちゃくちゃにする可能性すら示唆した。ロゴスはひるまなかった。ロゴスは兄弟のそんな性格が好きだったのだ(笑)。最後に、夢一は悲しそうに付け加えた。夢一はもはや不死ではなくなるだろうこと、なぜなら全てが確実ではない妖精界の最初の証明例として死ななければならないからと。夢一は、しかし夢一が死ぬため、彼は彼自身の次の複製として生まれ変わるだろうとも付け加えた。しかし夢王様二世以降は、神としての記憶も能力もないだろうと。

ロゴスは悲しんだ。彼は、夢一が一度妖精界に入った後は、もう二度と交信できなくなるだろうことを知っていたからだ。ロゴスは(論理によって)涙を流した。その涙は妖精界を形作る最初の材料となった。ロゴスは、人類全員の夢の中に四次元の火星人が現れるなんてことにはして欲しくなかったのだ(苦笑)。

一日目、夢一は阿呆のように爆睡した。二日目、彼は自分が今や「体」を持っていることに気づいた。三日目、彼はあごから変なものが伸びていることを発見したので髭剃りを発明したが、使うことに思い至る事はなかった(これが夢王様65535世が未だにヒゲを生やしている理由)。四日目、彼は妙な「不安感」を覚えたので、「水」を飲むことによりその不安感が癒されることにした。五日目、彼はまた「不安感」を覚えた。彼は、兄弟がいつも彼の手による創造物の中で最高の内一つだと自慢していた「女の子」を自分の隣においておくのはいい考えだと思った。彼は今回の不安感を、「寂しさ」と名づけ、誰かが近くにいるとその感情は癒されることにした。五日目の十時、彼の象形した「女の子」は、夢一を見て飛んで逃げていった(女の子が彼から動き去ろうとするのを見て夢一はその子に羽を付け加えてみた)。彼は色々試した(その間中ずっと「ロゴちゃんたらいっつも僕の気に入らない特徴を付け加えるんだから…」とぼやきつつ^^;)後、その日の終わりには、彼自身を布に包むことによって女の子が飛び去るのを防ぐことをかろうじて発見した。
…その後も彼の試行錯誤(ほとんど錯誤だけ)は続いた。彼が、女の子の集団が他と戦っているのも発見したときも、「女の戦いはイカスのう」以上の事は心を横切らなかった。しかし彼は事象を変えるぐらいの知恵は持っていたので、生死もある程度自分、そして後世へと続く妖精王の力により適当に変えられることにした。
死にもの狂いのあがらいの後、何とか彼の衣類をデザインしてくれる人が見つかった。現在に至るまで全ての妖精王は同じデザインのローブを着ている。

全ての創造力を使い果たした後、もう創造すべきものはない事を知りつつ夢一は逝った。

妖精王(というより妖精王クローンの中の一人)の寿命は乱数により決められる。百万の目を持つサイコロを四六時中振っていて、「百万」が出た時に死ぬのだと想像してほしい。それと同時に、次代の妖精王が誕生するのだ。